イベントでの使い捨て容器の使用を、法・条例で規制
ドイツでは、1991年に制定された包装廃棄物の発生回避・再資源化に関する政令(包装廃棄物政令)に定められている「公共の場での包装廃棄物の発生回避と再資源化を使用者に義務付ける権限に基づいて、法・条例を作り、公共の場所でのイベントにおける使い捨て容器の使用を規制している地方自治体が多くあります。
ミュンヘン市、フライブルク市、ハンブルク市、ボン市では、デポジット(貸出し食器への課金)制度を推奨し、公共の場のイベントでは「飲食物は再使用できる食器でのみ提供すべき」と、使い捨て容器の使用を規制しています。
こうした自治体では、どこでリユース食器が借りられるのかといった情報をまとめた「ごみを出さないイベント開催の手引き書」を発行したり、ゲシルモービル(移動食器洗浄車)を所有し、イベント時に貸出しているところもあります。
リユース食器の活用とともに、食器が不要なフィンガーフードと呼ばれる軽食(ソーセージはパンに挟む、ハッシュドポテトやワッフルは紙ナプキンで)の提供を推奨する例も多くみられます。また、週末の市場やクリスマスマーケットなど一般的な自治体規模でのイベントでは、プラスチック製のリユース食器よりも、陶器の食器やガラスのグラス、陶器のマグなどが多く見かけられます。野外コンサートや野外映画館ではリユースカップが一般的です。
ドイツの大学はほぼ公立大学ですが、マイカップが使用できる飲料販売機が設置されていたり、学食でリユースカップを使用しているところも目立ちます。
また、フライブルク市のリユース自主義務付けや、ミュンヘン市やボン市、デュッセルドルフ市の働きかけなど、条例等の法的枠組みを介して公共の場以外でもリユースの使用を求める自治体もみられます。
※本調査はドイツ在住のアイクマイヤー有美子氏の協力をいただきました。