コラム
Column

vol.1:一人ひとりがまちづくりのプレイヤー兼メッセンジャーに

京都でイベントへのリユース食器導入を進める「地域環境デザイン研究所ecotone」の太田航平さん

text by 地球・人間環境フォーラム

リユーストークupdate: 05-03-01

リユース食器とともにどこへでも──環境対策支援便 RE-ECO

太田航平さん

環境対策支援便 RE-ECO 鴨川さくらまつり(2005年5月1日~3日/鴨川河川敷三条大橋~四条大橋間西岸)にて

2003年3月の京都鴨川まつりを皮切りに、イベントへのリユース食器導入をユニバーサルユース研究会らとともにのべ60ヵ所以上手がけてきた。これまでは軽トラックに業務用の食器洗浄機など必要機材を積み込み、「出前リユース」をこなしてきたが、この3月、念願の専用車両『環境対策支援便 RE-ECO』が完成した。

 

活動のきっかけは、高校1年生のとき参加したA SEED JAPANのゴミゼロ活動。しかし、ゴミゼロとはいっても、当時はまだコンサート会場で出るゴミをひたすら拾って分別するという、果てしない作業だった。消費社会のしくみ自体を根本的に変えなければ――。使い捨て容器からの脱却とリユースの復権を志した瞬間だった。

 

ecotoneの活動と並行し、コミュニティ放送局も手がける。1999年、WTO閣僚会議のシアトルで、集まったNGOに家庭用のカメラやレコーダーを向ける人びとに出会った。どうするのかと聞くと、まちのカフェで流してコミュニティでシェアするという。部屋にこもって議論するか、報告会を開くくらいしか頭になかった太田さんには驚きだった。

 

市民の視点で切り取った情報を、自分たちの手で地域に向けて流せないか。全国初のNPOが運営するコミュニティ放送局「京都三条ラジオカフェ」の立ち上げは、そんな思いが結実したものだ。現在、約70の番組が地元NPOや個人によって企画・放送されている。「ラジオカフェとecotoneの活動は車の両輪。常に地域づくりのプレイヤーとしてフィールドを持って活動をしながら、同時に情報発信者になる。環境のことは、そうしたコミュニティづくりの共通のベースとしてとらえたい」。

 

京都には祇園祭がある。地域の、ひいては日本を代表するこの祭りには、毎年桁外れの観光客が訪れ、そして膨大なゴミを残し帰っていく。「リユース優先のゴミ対策を祇園祭でしっかりやれれば、これ以上の情報発信はない」。京都議定書の発効のいま、市民発の確実なリユースの波を京都から『RE-ECO』にのせ発信する。東京都出身。24歳。(淑)

 

グローバルネット2005年2月号(財団法人地球・人間環境フォーラム発行)『FRONT-話題と人』より抜粋

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